2026/02/25 22:26
たかはたまさおさんの 木彫り風 FIGURE COLLECTIONがほしい

この、ころんとした木彫りの熊。
冬の森の静けさをそのまま抱えてきたみたいな、素朴で、無口で、でもやけに愛嬌のある顔。
本物は、幻。
ならばせめてガチャで、と
「500円なら運命に賭けられる」と胸を高鳴らせたのに、
九州は小倉にしか入荷しない。
ついでに、ネット情報では、既にどこも在庫切れ。
森はすでに狩り尽くされたあとだったらしい。悲しい。
せっかく巡り会えるかもしれなかったのに。
木工やってるんだから自分で作れよ、という声が
心の奥から小さく聞こえます。
わかってる、わかってるんです。
でも彫刻は、
時間を吸い取るし、
指はじんじんするし、
日常の食卓で活躍するわけでもない。
そして何より、
「これ、売れるの?」という自問自答が手を止める。
言い訳ばかり並べているけれど、
それだけあの熊が“完成された存在”だということです。
あの佇まいには、敬意が必要。
そういえば。
私が作った木工作品で初めて売れたものは、
高校の授業で削った鳥でした。
ひよこみたいに丸くてかわいいけど凛とした顔の鳥。
親が唐津やきもん祭りで器を売る横に、
そっと飾られていたその鳥を見て、
お客さんが言ったそうです。
「これ、売ってる?」
母は、ためらいなく1000円で売ってきました。
帰宅した母が、1000円を差し出して
「鳥、売れたよ」と言ったあの瞬間。
安くない?
材料費にしかならなくない?
私の作業費は?
当時の私は、少々不満でした。
しかし、高校生の拙い彫刻に、
「お金を払ってでもほしい」と言ってくれた誰かがいた。
それだけでも喜ぶべきことだったと、独立してから痛感する今日この頃。

