2025/12/01 13:54

今回は、宮崎での展示会でよくいただいた質問の続きです。
「どうして木工(家具デザイン)を始めたのですか?」というものについて続きを書こうと思います。

中学時代に芽生えた「デザインへの道」

私がデザイン系の仕事を目指そうと思ったのは、中学2年の頃でした。
それまではマラソン選手になるのが夢でしたが、高校進学を考えるタイミングでその夢をあきらめました。
代わりに「自分が人より秀でていて、仕事としてお金をいただき、一人で生きていけるものは何だろう?」
と真剣に考えたのです。

学校の成績はほとんど「3」でしたが、美術だけは毎回「5」。
そんな私を見て、両親が勧めてくれたのが 佐賀県立有田工業高等学校のデザイン科
実は父の母校でもありました。
走ることと美術しか評価されていなかった私は、素直に「ここに行きたい」と思いました。

高校入試と入学後の気づき

デッサンを練習して挑んだ特色選抜Bでは、ギリギリ合格。私の受験した年は倍率が高く、
特色選抜は約7倍、一般入試でも約1.5倍だったと記憶しています。
滑り止めを受けていなかった私は、かなり冷や冷やしました。

入学してみると、周りの生徒はみんな絵がとても上手。特にイラストが得意な子が多く、
元美術部や趣味で絵を描いていた子ばかりでした。私は絵を描くことが好きではなく、
イラストは特に苦手。そこで早々に「グラフィックではなくプロダクトデザインを目指そう」と決めました。
もともと手を動かして立体物を作る方が好きだったので、この選択は間違っていなかったと思います。

木工を選んだ理由

有田工業のデザイン科では、プロダクトデザインの授業で「樹脂」「陶器」「木」の
3つの素材を扱います。実際に経験してみて、私は「木がいいな」と感じました。理由は単純で、
木が一番汎用性が高いと思ったからです。

木材なら雑貨、食器、家具、建具、さらには家まで作ることができます。
木加工を学べば、自分でデザインして、自分で作ることができる。
そんな楽しさを感じたことが、今の仕事につながっています。